70年代研究所

70年代~80年代!あの時代にタイムスリップ!

昭和の怪優・丹波哲郎 伝説!

 

Gメン75 DVDコレクション  創刊号 デアゴスティーニ

価格:499円
(2021/5/26 08:32時点)
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圧倒的な存在感で、数々の映画やドラマに出演した、昭和の快優・丹波哲郎。バラエティ番組などに出ても、独特のムードを漂わせて面白かった。

そんな丹波哲郎の代表作のひとつ『Gメン'75』がDVDコレクションとして発売され、また注目されています。

 

あの『キイハンター』(こちらの主演も丹波哲郎)の流れをくむ『Gメン'75』は、1975年5月24日 ~1982年4月3日までの7年間放送。「土曜日21:00~と言えばGメン!」という人も多かった人気ドラマであります。終了からわずか半年後の82年10月からは『Gメン'82』という続編も放送されました。Gメンシリーズは8年もの間、お茶の間を楽しませてくれたドラマなのです。

 

「Gメン」とは、警視庁庁舎から独立した特別潜入捜査班のことで、本部長の黒木警視を演じたのが、我らが丹波哲郎である。内容は、国内犯罪から国際犯罪まで、世相を反映した様々な事件を解決していく、アクション・ハードボイルド・ドラマ

倉田保昭が活躍する、香港マカオシリーズも人気ありました。 今はなき香港の無法地帯・九龍城でロケを敢行したり、なかなか本格的でしたね。

 

オープニング、陽炎の中をメンバーが滑走路を横一列に歩くタイトルバックも印象的で、覚えている方も多いでしょう。芥川隆行による、次回作の予告「ハードボイルド Gメン'75。熱い心を強い意志で包んだ人間たち」のナレーションにもワクワクしたものです。

丹波哲郎の黒木警視は、『太陽にほえろ』で言えば石原裕次郎のようなボス役なので、ほぼ活躍はしないのですが、『Gメン'75』と聞くと丹波哲郎の顔が思い浮かびます。それほどインパクトのある顔なんですよねぇ。

ご本人もテレビのバラエティ番組で「Gメンの思い出なんてあんまりないんだよ。なんせ俺は、“行ってこい”、“ごくろう”、“よくやった”。これだけだもん。みんながやるんだよ(笑)」と豪快に語っていた。「オープニングの横並びで歩くシーンを撮る時の、陽炎待ちしか思い出がない。前日に木更津の宿屋に監禁されちゃうわけ、俺だけ」だそうである。監禁される理由は、朝来ないから(笑)。そんな人が主演で8年続くドラマ。すごいですね。昭和という時代は。

 


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そんな丹波哲郎の人生をざっと振り返ると、1922年7月17日東京は新宿で裕福な家に生まれ、学校の成績は悪かったが、コネで中央大学法学部英法科に入学。学徒出陣で太平洋戦争へ駆り出され、態度がでかいと殴られる日々(あの川上哲治が上官で、殴られていたという。恐すぎる!)。

戦後は、さほど英語ができないのに英法科だからか、GHQで通訳のアルバイトをしていたが、英語がわからないからトイレに隠れていたらしい。

その後、俳優を志すのだが、ここでも最初から態度はでかかったという。「徹子の部屋」でも黒柳徹子「丹波さんは、今、態度が大きいけど、デビューの頃からおんなじね。最初から態度が大きかったわね」と言われ、本人は「ふてぶてしいとか、態度がでかいとか誤解されるだよ。それは体が大きいから。そういうのは軍隊では不利。でも芸能界では、いかされている」と語っていた。

ちなみに身長は175㎝。当時としては大柄ですが、正直もっとずっと大きいと思っていました。印象185㎝くらいですね。

そんな態度がでかくて馴れ馴れしい丹波さん、プロデューサーや監督、助監督やスタッフ、掃除のおばちゃんまで、誰にでもまったく同じ態度で接していたらしい。それは「人間みんなイーブンだから」だそう。素晴らしい!「だからスタッフには評判がよかったんだよ」(本人談)。つまり誰にでもフランクな人だったんですね。

 

丹波哲郎の逸話では、セリフを覚えない。が有名です。「共演者の体や、そのへんの小道具にまでカンニングペーパーが貼られている」と、バラエティ番組に出るたびに、数々の共演者から暴露され、「うるさいよ!俺のことはいいんだよ」などと怒りながら笑ってるのが楽しかったですね。

名作映画『砂の器』(1974年)の今西刑事役とか見ていると、まるで演技派かと思うほど、素晴らしいのですが、あれもカンペ貼ってあったのかなぁ。

また、台本を読んでこないことでも知られ、監督に「ちゃんと家で読んでこい!」と怒られると、 「俺は家庭に仕事を持ち込まない主義だ」と答えたのも実話らしい(笑)。

 

さらに、遅刻魔としても有名で、映画『007は二度死ぬ』(1967年)でも、毎朝ホテルの部屋から起きてこなくて、ついには主役のショーン・コネリーが丹波の部屋を訪れて起こした。などの逸話もある。大物だよなぁ(笑)。

 

あと、交通違反で停められた時、警察官に「Gメンの丹波だが」と言った話も有名ですね。「ごくろう」と通り過ぎようとしたのでしょうか(笑)。

 

晩年、丹波さんは、ベストセラーになった「丹波哲郎の大霊界」を上梓。映画化した『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』もヒットして、2作も続編映画が作られました。当時「丹波さん、死んでもないのになんでわかるんだ(笑)」思ったものです。

 

そんなわけで、丹波さん好きだったなぁ。面白かった。こんなめちゃくちゃな人物、今いないでしょ。令和時代は変な人いない。枠からはみだすと干されるから。だから役者もこじんまりした常識人になっちゃうんですよね。圧倒的な存在感と大物感を漂わせた昭和の怪優でした。

 

Gメン75 DVDコレクション  創刊号 デアゴスティーニ

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黒木警視:丹波哲郎
関屋警部補:原田大二郎
草野刑事:倉田保昭
津坂刑事:岡本富士太
響圭子刑事:藤田美保子
山田刑事:藤木悠
小田切警視:夏木陽介

若林豪、伊吹剛、森マリア、宮内洋、夏木マリ、鹿賀丈史、范文雀、江波杏子も出演しています。


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