70年代研究所

70年代~80年代!あの時代にタイムスリップ!

原田芳雄の1975年。映画『祭りの準備』

俳優で誰が好きかと聞かれれば、ショーケン松田優作で悩む人がミドルシニア世代には多いのではないだろうか。でもさ、原田芳雄をお忘れではないですか!?? 

すげえよ原田芳雄! 優作が憧れた男だよ。

たとえば原田芳雄の代表作と言えば・・・

 

『竜馬暗殺』(1974年)
主演・坂本竜馬役! 共演は松田優作。


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『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)
鈴木清順監督の最高傑作!独特の狂気とエロスの前衛寓話。


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『大鹿村騒動記』(2011年)
遺作だけど、往年の原田芳雄そのままの雰囲気でさぁ、涙出るよ。それだけで。

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他にもいろいろありますよ。主演、助演含めて、
『反逆のメロディー』『浪人街』『われに撃つ用意あり』『どついたるねん』『スリ』『鬼火』『美しい夏キリシマ』『父と暮せば』などなどね。

 

だけど、筆者が一番お気に入りなのは、1975年のATG 映画。

『祭りの準備』。 


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主演ではありませんが、凄まじいインパクト! 監督は原田芳雄とのコンビで有名な、『竜馬暗殺』『夕暮まで』『浪人街』の黒木和雄であります。


『祭りの準備』は、脚本家・中島丈博の自伝的作品。シナリオライターを夢みる真面目な青年(江藤潤)が主人公。そんな彼が、田舎町の地縁・血縁のしがらみの中でもがき苦しみ、そしてついに旅立ちの日を迎えるまでを描く物語。

原田芳雄の役は、盗癖のある近所のにいちゃん(トシちゃん)。主人公の友達というのでもなく、だからと言って顔見知り程度の薄い関係でもない。田舎だから近所の関係が濃いんですね。根っからのワルでもなく、田舎でダラダラ暮らしている素行のよくない男。そんな役なのである。

そんなトシちゃんをさ、原田芳雄がさ、「絶対この人演じてない。素がこうなんだろう」と思わせる演技でさ、いいんだよー。別にストーリーにもそんな関係もないけど、役が生きてるんですよ!

ここから先の色の違う文章はネタバレを含むので、「これから見るから言わないで!」と言う人は、ここから読まないでください。

 

主人公(江藤潤)がね、最後についに旅立つ決心をして、親にも言わず家を飛び出して駅に行くわけ。そしたら強盗殺人を犯して逃走中のトシちゃん(原田芳雄)にバッタリ会うんですよ。そこでトシに逃走資金としてカネをせびられる。「銭貸せや。悪いところでおおたのぉ」とか言われて。幼馴染だし主人公はいいやつだから大金を渡す。トシは「こんなにたくさん? おおきにおおきに」とか大喜びするんだけど、故郷を捨てて東京に行く為のカネだと知って突き返すのね。主人公がどんなに「ええちゃ。とってくれ」と言っても「いかんいかん! われの大事な東京行きのカネじゃ、もらわれん。わしゃまたある所から持ってくるけん」とか言って受け取らない。喉から手が出るほど欲しいカネなのに受け取らない。「東京行けばカネがいるんじゃけん、とっとけって!」と、まるで自分のカネをやるかのように突き返すのです。そしてラストですよ。主人公が乗った走り去る電車に向かって、「バンザーイ!」「バンザーイ!」を繰り返して、必死に見送りをしてくれるわけ。自分は強盗殺人をやってしまって未来がない立場でさ、未来に向かって走っていく近所の年下の男に「バンザイ」ですよ。そこに未来を託しているというかさ、すごい名シーンです。

 

途中、竹下景子のヌードが見れた時も「いい映画だなぁ」と思ったけど、そんなの吹っ飛ぶくらい、素晴らしいラストシーンでした。←どんな感想だよ!

と、いう訳で、名作『祭りの準備』はU-NEXTでも見られます。

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 原田芳雄の出演作は、『ツィゴイネルワイゼン』『父と暮らせば』も見られます! あと、樋口可南子と高瀬春奈のレズシーンがエロスな『卍』も見られますw まぁそんなこといったらU-NEXTはAVも見れるんだけどね。ってこんな終わり方でいいのか・・・。

いや、よくないよ! 男が憧れる原田芳雄の話だよ! 

 

『祭りの準備』で男臭く生々しく生きている、原田芳雄の演技とは思えない演技にぶっ飛んでください!!!

 

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