忌野清志郎率いるRCサクセションがブレイクしたのは1980年からだが、デビューは70年3月のシングル「宝くじは買わない」である。苦節10年、アコースティックトリオからドカドカうるさいロックンロールバンドに進化して成功したのだ。
デビュー当時のRCはこんなかんじだった。
デビューシングル「宝くじは買わない」。なぜかドテラで歌う清志郎w まだ19歳です。ちなみに宝くじは買ってたそうで「お前、宝くじは買わないんじゃねーのかよ」と、仲間につっこまれていたらしいw
72年のシングル「ぼくの好きな先生」(スマッシュヒット!)と「キミかわいいね」。♪キミかわいいね でもそれだけだね とはじまるw 若い頃からセンスの塊だなぁ~。
こちらも72年のシングル「三番目に大事なもの」。すでに80年代の派手なキヨシローの片鱗が垣間見える衣装ですね。
70年代のRCサクセションは、シングルは8枚出したものの、アルバムは10年間でたったの3枚しかリリースしていない。マネージャーの独立問題に巻き込まれたり、オトナの世界のごたごたで不遇な時代を過ごしていたのである。
『初期のRCサクセション』 (1972年2月5日発売)
1.2時間35分
2.ぼくの好きな先生
3.国立市中区3-1(返事をおくれよ)
4.シュー
5.春が来たから
6.メッセージ
7.国王ワノン一世の歌
8.この世は金さ
9.金もうけのために生まれたんじゃないぜ
10.言論の自由
11.ベイビーもう泣かないで
12.寝床の中で
彼女と長電話した歌から始まる、若さ溢れる作品。でも、皮肉たっぷりの「シュー」や、「この世は金さ」の後に「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」が入っていたり、清志郎少年の複雑な心情もいいですね。
『楽しい夕に』 (1972年12月5日発売)
1.ラー・ラー・ラ・ラ・ラ
2. エミちゃんおめでとう
3.忙しすぎたから
4. あの娘の悪い噂
5. 九月になったのに
6.ねむい
7.もっとおちついて
8.君もおいで
9.去年の今頃
10.日隅くんの自転車のうしろに乗りなよ
11.ぼくの自転車のうしろに乗りなよ
♪九月になったのに大嫌いな夏が続いてる 9月になるとこの歌を思い出します。このアルバムは全体的には地味な印象かもしれませんが、アップテンポな「あの娘の悪い噂」や突然シャウトする曲もあって、後年への繋がりも垣間見えます。
『シングル・マン』(1976年4月21日)
1.ファンからの贈り物
2.大きな春子ちゃん
3.やさしさ
4.ぼくはぼくの為に
5.レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり)
6.夜の散歩をしないかね
7.ヒッピーに捧ぐ
8.うわの空
9.冷たくした訳は
10.甲州街道はもう秋なのさ
11.スローバラード
+4(SHM-CD)版はオリジナルのアナログ・マスターからリマスタリング。高音質シングル2枚「スローバラード/やさしさ」「わかってもらえるさ/よごれた顔でこんにちは」の4曲を追加収録。
贈り物をくれないか。彼女にプレゼントするんだから。でもくだらないものはゴミ箱に捨てるぜ。と毒づく「ファンからの贈り物」から始まるこの『シングル・マン』というアルバム。「ヒッピーに捧ぐ」や、名曲中の名曲「スローバラード」が収録されている。しかしレコーディングもトラックダウンも終わっているのになかなか発売されず、発売されてもすぐ廃盤にされてしまった。
シングルにもなった「スローバラード」。なんだか変身ロボみたいなロゴとジャケットです。渋谷駅で「スローバラード RCサクセション」と書いてある垂れ幕を見た清志郎は「これで売れる!」と思ったが、売れなかった・・・。
ただ、ずっとライブでは定評があったRCサクセション。地道にステージを重ね、『シングル・マン』の再発運動もあり、徐々にバンドスタイルを変えて、80年代の大ブレイクへと繋がっていく。
このロックバンドスタイルへの移行で重要だったのは、やはりギタリスト仲井戸麗市(チャボ)の加入だろう。元々仲良しだったチャボと清志郎。チャボに古井戸を解散してもらい、満を持して一緒にバンドを始めるのである。当時の清志郎はR&Bやソウル好き(まぁずっとですけど)で、ロックはあまり興味なかったらしい。ローリング・ストーンズすらほとんど聴いてなかったが、チャボの影響もあって、シンプルなロックを研究し、モノにしていくのだった。ファッションも変わった。ツンツンヘアに奇抜なメイクをしてド派手な衣装でショーアップに成功したのである。
そんな新生RCサクセションの一発目のシングルがこちら。
1979年7月21日発売のシングル「ステップ!」 B面の「上を向いて歩こう」は坂本九の名曲のロックバージョン。
その後、80年代に入ると、RCサクセションは快進撃を開始する。1980年1月21日 シングル「雨あがりの夜空に」(代表曲!ストーンズで言えばサティスファクションですね)を発売。『「雨あがりの夜空に」発売記念コンサート』を渋谷屋根裏で4日間開催し、連日満員。屋根裏の観客動員記録を塗り替える。1980年6月5日 、傑作ライブアルバム『ラプソディー』をリリース。1981年、初の日本武道館単独公演。以後10年間連続で武道館クリスマスコンサートを慣行。1982年6月発売のシングル『SUMMER TOUR』が大ヒット。その後も年間100本ものギグを続け、“ライブの王様”と呼ばれるのである。
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