70年代研究所

70年代~80年代!あの時代にタイムスリップ!

憑依する少女・大竹しのぶ

先日、「ななきち所長。きみは映画『あゝ野麦峠』を観たか? あれは名作だから、後世に残したい。ぜひ70年代研究所でも取り上げてほしいのじゃ」(原文ママ)というメールを、あるご老人からいただきましたので、微力ながらご協力いたします。


映画『あゝ野麦峠』は、1979年公開の社会派作品。原作は山本茂実の同名ノンフィクション。 監督は『白い巨塔』『戦争と人間』『皇帝のいない八月』山本薩夫であります。

 


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 明治後期、飛騨の寒村の少女たちはわずかな契約金と引き換えに、野麦峠を越えて製紙工場へ赴いた。厳しい労働と苛烈な人間関係に耐え、富国強兵の底辺を支えた少女たちの姿を描く。ノンフィクション文学を原作にした感動の人間ドラマ。

出演:大竹しのぶ/原田美枝子/友里千賀子/古手川裕子/地井武男/西村晃/三国連太郎

 

娘を売る親。厳しい労働。わずかな賃金。男尊女卑。耐える少女たち。
実話を元にされたこの物語は、日本近代史の闇と言えるでしょう。ブラック企業どころではない、まっ黒な、いわば奴隷制度が現実にあったのです。

でも今の時代、ここまでひどくはなくても、私たちが日頃使っている商品も、もしかしたらどこかの国の過酷な工場で、貧しい少女たちの手によって作られているのかも。とか思ったり。

いろいろ考えさせられる映画『あゝ野麦峠』
目だけですべてを表現できる大竹しのぶの圧巻の演技! 共演の原田美枝子も、友里千賀子も、古手川裕子もみんなまだ少女。そして熱演。涙なくしては観られない、後世に残したい名作なのであります。

 

 

大竹しのぶの映画デビューは『青春の門』(1975年)。続編の『青春の門 自立篇』(1977年)にも出演。原作は、五木寛之の言わずと知れた大河小説。2019年には「週刊現代」で完結編がスタート。恐るべしロングロングストーリーです。                                                                                                                                 
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大竹しのぶのは、映画初出演で、いきなり吉永小百合と共演!(でも抱っこされているのが大竹しのぶではありません。←当たり前だ)

 

                                                                                                                        
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成長した織江を演じた続編。

 

 

『あゝ野麦峠』も『青春の門』も名作ですが、70年代の大竹しのぶと言えば、筆者のお薦めは、『事件』(1978年 監督:野村芳太郎)です。

 


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●単なる刺殺事件と思われた背後に、一人の青年を愛してしまった姉妹の激しい葛藤が渦巻いていたさまを、裁判の過程で浮き上がらせていく骨太の人間ドラマ。裁判は谷本裁判長(佐分利信)の下、岡部検事(芦田伸介)、菊池弁護士(丹波哲郎)の証人尋問によって緊迫していた。そして、次々と召喚される証人の口から、意外な事実が解明されていく・・・・。

 

 
はすっぱで妖艶なホステス・松坂慶子、チンピラ・渡瀬恒彦も最高!
弁護士役・丹波哲郎も(たぶんカンペを見ながら)熱演!  佐分利信芦田伸介の重厚さ! 永島敏行以外の名優たちの圧倒的演技の応酬に引き込まれます。ストーリーも秀逸! しかし、それもこれも、「事件」の鍵を握る少女を演じた大竹しのぶのリアリティさに、すべて持っていかれてしまうのであります! 永島敏行の棒読みまでも持っていかれてしまうのでありますw

 

憑依型天才女優・大竹しのぶ。今もすごいですが、少女の頃の『あゝ野麦峠』と『青春の門』、『事件』も圧巻ですので、まだの人はぜひ! 一度観た人もその憑依っぷりに再び衝撃を受けてください!