映画監督・森田芳光の生誕70周年を記念し、監督26作品と特典映像を収録したブルーレイボックス『生誕70周年記念 森田芳光 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX』が、没後10年の命日、12月20日に発売されることが決定しました。
と、いう訳で、今回は森田芳光監督にスポットを当てます。
森田芳光監督の70年代は、『ライブイン・茅ヶ崎』(1978年)で、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)に入選するなど、自主映画界で注目されていました。この『ライブイン・茅ヶ崎』は、まだ20代の森田監督が、脚本・撮影・編集のすべてを担当。感想としましては、たいしたストーリーもないです(笑)。でも「78年」という時代は感じられますね。新宿や茅ヶ崎の当時の匂いが。そういう視点でドキュメンタリーっぽく見るべき映画なのであります。85分は長すぎるけども!
長編映画監督デビューは1981 年『の・ようなもの』。 若手落語家たち(落語家の・ようなもの)の青春群像を描いた作品です。
そんな森田芳光監督の最高傑作と言われているのが・・・
『家族ゲーム』(1983年)
受験や家族をテーマに、シュールにコミカルにブラックに、そして演劇的に描いた異色の傑作ホームドラマです。主人公の頭の悪い次男に宮川一朗太。不気味な家庭教師に松田優作。父親の伊丹十三も、母親の由紀さおりも好演。勉強途中に優作が一朗太のほっぺにキスをして、「気持ち悪いです」と言われて、「俺だって気持ち悪いよ」と優作が答えるシーンに笑いました。あと「夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ・・・」(笑)。
しかし! 70年代研究所的「森田芳光監督のベスト1」に選ばれた映画は・・・
『ときめきに死す』(1984年)
原作は丸山健二の同名小説。主演は沢田研二。ジュリーが寡黙なテロリストを演じます。そして、そんなジュリーの世話をする「歌舞伎町の医者」役は杉浦直樹。これがすごくいいです。淡々と進んでいくストーリーですが、テロ実行の日は刻一刻と迫ってきているわけで・・・。宗教や部落差別などの禁じられたエッセンスもさりげなく入っていて物語に深みを与えています。そしてラスト! ネタバレになるので言いませんが、ある意味衝撃すぎるラストシーンが待っています!(その為の伏線も秀逸!)
森田芳光監督は、多作で、様々なジャンルの映画を撮る監督でした。いい意味変幻自在です。悪く言えば個人的に合わない映画も結構ありますね。簡単に他の作品を評すると、こんなかんじ・・・
『失楽園』(1997年) エロかった。
『黒い家』(1999年) 恐かった。
『模倣犯』(2002年) (主演の演技も含め)ひどかったw
『椿三十郎』(2007年) なぜやった?
簡単すぎるだろ(笑)。
森田芳光監督の作品、『家族ゲーム』『黒い家』 『39 刑法第三十九条』『海猫』『間宮兄弟』『武士の家計簿』 『僕達急行 A列車で行こう』などはU-NEXTでも観られますよ!
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