皆さん、寅さんは好きですか?
『男はつらいよ』。
説明はいらないと思いますが、主演・渥美清、監督・山田洋次の国民的人気シリーズです。
1968年、テレビドラマとして登場した寅さんは、1969年に映画化。その後シリーズ化されて、実に50作! 50年(ブランク除く)! いわば半世紀に渡り作られ続けたわけであります。
ギネスにも認定されたこの長寿シリーズ。「わたくし、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、 姓は車、名は寅次郎、人呼んで "フーテンの寅" と発します」という口上も御馴染みですね。
車寅次郎(寅さん)が、「マドンナ」に恋して振られるのを軸にした人情喜劇です。最盛期の26年間は、盆と正月に毎年2作公開されていました。
全部観た寅さんファンも多いでしょう。でも観たことのない若い人や、「あまりに作品数が多いので、どれが面白いのかわからない」という人もいると思います。
そこで!
寅さんはコレを観たら絶対だ!
という作品をご紹介いたします。
『男はつらいよ 夕焼け小焼け』
第17作 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け HDリマスター版 [DVD]
※どちらも同じDVDですが、ジャケットが違ったのでふたつ載せました。
寅が面倒をみてやった浮浪者の老人は、実は日本画壇の大家だった。これを宇野重吉が飄々と演じてます!
マドンナは温泉芸者役の太地喜和子。あっけらかんと艶やかで“小股の切れ上がった”いい女! 恋とカネと義理人情がからまった、傑作大騒動喜劇です。1976年7月公開。
太地喜和子さんがその後、48歳の若さで亡くなられたのは本当に残念。あんなきっぷのいい演技派女優はいないですよね。喜劇からシリアスまでなんでもござれだし。寅さんとの相性もバッチリでした。ちなみに、冒頭の寅さんの夢は『ジョーズ』(笑)。
寅さんの相手は純情娘やセレブより、やっぱり玄人女が似合います。それは合計4作にも出演した寅さんの本命マドンナ、リリー(浅丘ルリ子)にも言えること。こちらはドサまわりの歌手ですね。
『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』
第15作 男はつらいよ 寅次郎相合い傘 HDリマスター版 [DVD]
浅丘ルリ子演じるリリーが2回目の登場をした回。1975年8月公開。こちらも神回です!
寅さんがもらったメロンなのに、自分の分がなかったことで巻き起こる「メロン騒動」も有名ですね(笑)。
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え~ここで、善良な寅さんファンには「それをいっちゃおしめえよ!」と怒られそうなことを言わせていただきます。
『男はつらいよ』は41作までかなぁ・・・と筆者は思うのであります。もちろん国民的人気があるし、いわば大河ドラマなので続けざるを得なかったのは承知しています。
でも42作目『男はつらいよ ぼくの伯父さん』(89年)から、甥っ子の満男(吉岡秀隆)をメインにした物語になっていくわけで・・・。渥美清さんの体調面を考慮して、寅さんの出番が少なくなっていくわけで・・・。1年2作だったのを1年1作にして、なんとか続けていくわけで・・・。正直そこまでしなくてよかったんじゃないかなぁと思うのです。だって寅さんが見たいのであって、満男が見たいわけじゃないから。
とか言いつつも、復活した50作目『男はつらいよ お帰り寅さん』(2019年)も観ましたよ。でもやっぱり想像の枠を超えてこないというか、当たり前だが甥っ子の満男メインの話で、CG寅さんもちょっとしか出てこないしさ。満男を演じる吉岡秀隆の目つきは、なぜだかホラーのような恐ろしさだしさ。寛容な寅さんファンには悪いけど、オイラどうしてもダメだった。大体これもう喜劇じゃないし。満男の目はホラーだし!
善良でも寛容でもないオイラでごめんよ。目つきが恐い満男にも、泉(後藤久美子)にも興味ないんだよぉぉ! 「じゃあ観るなよ!」と言うご意見もごもっともですが、『男はつらいよ』っていうタイトルで22年ぶりの完全新作なら、そりゃ観ますよ劇場で! 「もしや満男少なめ、寅さんてんこ盛り?」とか期待しちゃうじゃないですかぁ!! ハァハァ。失礼いたしました。寅さんを語る上で、アンタッチャブルな本音を言ってしまったのでワタクシ興奮してしまいました。
やっぱさぁ「マドンナに恋して大騒動」っていうパターンがあっての『男はつらいよ』だから、寅さんが若い頃の方がそりゃ面白いのよ。それは仕方ない。だから、寅さん初心者の方は、『夕焼け小焼け』と『寅次郎相合い傘』をぜひ観てください。と、言いたかったのです。
『夕焼け小焼け』、『寅次郎相合い傘』を含む『男はつらいよ』全50作は、U-NEXTでも無料で観られます!↓↓↓
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ステイホームは寅さんで!